厚生労働省が24日に発表した2018年度の高齢者虐待調査によれば件数が過去最多の1万7870件(内22人死亡)となりました。
残念なことに,件数の伸びが大きかったのは介護職員による虐待で,前年度比21.8%増の621件だったそうです。
また,その要因として「教育・知識・介護技術等に関する問題」(58%),「職員のストレスや感情コントロールの問題」(24.6%)があげられています。
一方,何年か前の東京都社協調査(対管内施設職員)では「多少の体罰はやむを得ない」とする体罰是認派が,大学で人権教育を受けてきたはずの「若い職員」に多いことも報告されています。
以前から,私は学校教育における体罰問題を「若年未熟教員における指導の敗北」と言い続けてきました。
福祉の現場においても,支援能力に限界を感じた「経験不足の若いスタッフ」がその不足分を「振り上げた拳の力」(体罰)で補いながら何とかその場を凌いでいる姿が浮かび上がってきます。
身体拘束は論外ですが,ご自身の力不足(教育・知識・技術)に苦しみながらストレスや感情コントロールに失敗する「若年スタッフ」のサポートこそが喫緊の課題です。
繰り返します。虐待防止の監視カメラや施設管理者による精神訓話の繰り返しではなく,やる気に満ちて参入してくる「若い力」を立ち枯れ(使い捨て…失礼)させずに大樹へ育て上げ,もう一度魅力ある現場再生こそが求められる途ではないでしょうか。
簡単なことなのですが…助けを求める危機サインは皆同じなのです…大人も子どもも母親も…。