国試「福祉士」制の導入は現場実践の一定水準確保にはある程度効果的とは思いますが,一方で,国による「福祉コントロール」につながることを制度開始時から感じてきました。
その後,福祉教育に係わって,その疑念は確信に変わりました。
今の学生は,入学するとすぐに卒業後の就職を考えて「国試対策テキスト」しか読んでくれないのです。(スポンサーである親御さんの関心も卒後の就職です)
私達が学生さんに読んでおいて欲しい文献を紹介しても「これって国試に出ますか?」と返されます。
指導教員も毎年3月末の「国家試験合格発表」に一喜一憂し,担当ゼミ生の合格率に大なり小なり付き合わされているのが現状です。
ましてや,次年度の入学定員割れを恐れる大学理事者にとっては,国試受験生の全学平均点が「全国平均合格率」を上回ることはもちろん,本学存続を掛けて近隣競合大学との合格率という「数字の比較」に血眼(ちまなこ)です。
そして,本年4月から「福祉士養成課程の教育内容見直し」が開始されます。
※私見「社会福祉士教育内容の見直し」(2019.6)については → こちら
これは,福祉職の教育管理(内容と教員採用)をとおして福祉現場の方向性を「国の考える形」へ都合良く変成していくことに直結します。
「牙を抜かれた教員」による,人の暮らしを考えさせない「骨抜きカリキュラム」適用が真っ白な初学生に対して開始されることを強く懸念します。
福祉の底流を支えてきた社会正義と反骨の「批判精神」は福祉職育成段階での「網掛けと牙抜き」によって見事に抑え込まれて行くのではないでしょうか。