最低基準という最高基準

2020年1月30日 | からadmin | ファイル: 福祉関係.

私がまだ駆け出し公務員の頃,年に数回,先輩に同行して施設監査(主に保育所)に出かけていました。

ご存じのとおり,国に認められた「認可施設」にはそれぞれの法律によって定められた基準があります。

利用定員による施設・居室面積,トイレの数(大・小),職員の配置数,食費単価…などなど,それは大変に細かく規定されているもので,その様にして施設サービスの質が一定程度に守られています。

そしてその基準は守らなければならないギリギリのラインとして「最低基準」と呼ばれています。(でなければ認可されませんから)

ところが,大凡(おおよそ)の「最低基準」「最高基準」なのです。

そうです,国の定める「最低基準」さえ守っていれば,何も余計な大金を出してそれ以上に職員数を増やさなくても「認可施設」としてライセンスは手に入るのですから。

ですから世の中の相場として「最低基準は最高基準」ということになっているのが実態です。(もちろん,最低基準を上回る,心ある経営者も多数おられますが)

生活保護(福祉原点)における「最低生活費」,貧困格差の「最低賃金」など…最低という「うまい言い回し」を使いながら,実際はその頭を押さえ込んで,最高基準になっていることに気が付かねばなりません。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です