ケースワークは本来,相談者の生活上のあらゆる困難課題の解決支援にあたることをその業とする。
しかし,現行のケースワークはその専門性を強く意識するあまり相談主訴・分野別毎に業務が細分化され「生活者」としての利用者の暮らし(利便・快適・安心・安全等)の背景にある「全体性」への配慮に欠如し勝ちである。
この不都合(不合理)への気付きの証左として提案されたものが心理学における家族療法であり,医療における総合医の出現である。
- 生活ケースワークの四つの必要性
- 専門性に拘らず,全体的な視点から解決課題の的確な仕分けが必要であること
- 高齢社会化により多様な局面の解決課題を併せ持つ利用者が増大していること
- 地域福祉の視点から利用者を捉えた場合,解決課題の幅広さと多様性が挙げられること
- シンプルな相談窓口による支援の効率性・即効性がもとめられていること
2.独立型社会福祉士の有利性
この「生活ケースワーク」業務に求められる要件はワーカー自身の広汎な力量・経験と所属機関等の組織目標や活動領域制限,行政区分による縦割り化に縛られない自由度の高さである。
そのためにも独立型社会福祉士に期待するところが大きい。